タリウム - 進化を欺いた元素

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概要

タリウムは周期表の81番元素で、銀白色の柔らかい金属ですが、その化学的性質によって人体では非常に危険な毒として作用します。
特に恐ろしいのは、タリウムイオンがカリウムイオンとよく似ているため、細胞のナトリウム・カリウムポンプに取り込まれ、神経系やエネルギー代謝を深刻に乱してしまうことです。
無色・無味・無臭の水溶性化合物が存在することから、タリウムは過去に毒殺事件でも使われてきましたが、現在ではプルシアンブルーを用いた治療法も確立されています。
一方でタリウムは、放射線検出器や赤外光学、高温超伝導材料など、高度な科学技術の分野でも独特の役割を果たしています。
さらに放射性同位体のタリウム201は心筋の血流を調べる医療検査にも利用されており、猛毒でありながら人命を支える技術にも使われるという二面性を持つ元素です。

分光器に映った緑の枝
細胞ポンプに忍び込むトロイの木馬
完全犯罪の凶器
プルシアンブルー――救いの色
赤外線の目と放射線探知
極限技術と超伝導
81 番元素の未来

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